芳根京子さんが主演するドラマ「まどか26歳研修医やってます」の第7話では、主人公・まどかが新たな研修先の精神科に赴きます。
精神科での研修が進む中で、まどかは「心の治療」や患者との距離感に戸惑います。
特に、指導医である野口(板倉俊之さん)から言われた「距離感が大事」という言葉が深い意味を持つことに気づきます。
そこで、精神科でいう「心の距離」とは一体何なんだろう?という疑問が湧いてきました。
「心の治療」精神科と他科との違い

出典:「まどか26歳研修医やってます」より
まどかが新たに配属されたのは、精神科という心のケアが求められる科。これまで救命救急や他の医療現場で「命を守る」ことに全力を尽くしてきたまどかにとって、心のケアを重視する精神科での研修は大きな挑戦です。
患者の心に寄り添い、心の傷を癒すことが求められるこの科では、単なる治療行為にとどまらず、患者との信頼関係や感情的な距離感を大切にしなければなりません。
精神科では、患者が自らの心の問題を解決するためにサポートする必要があります。そのためには「距離感」が非常に重要であり、患者に対して過度に近づきすぎることも、逆に遠ざかりすぎることも好ましくないのです。
この絶妙な距離感を掴むことが、まどかの成長に欠かせないテーマとなっていきます。
野口の言葉「距離感が大事」
野口は、まどかに「距離感が大事だ」と説きます。
この言葉は、単なる物理的な距離ではなく、心の距離を指しています。精神科においては、患者に対する関心と信頼感が「心の距離」を形作ります。
まどかと坂本裕乃の関係

出典:「まどか26歳研修医やってます」より
物語の中で、まどかはリストカット患者の坂本裕乃(新井美羽さん)を担当します。裕乃は最初、まどかに心を開こうとしませんが、まどかが真剣に話を聞き、少しずつ関係を築いていく中で心を開き連絡先を交換するまでになります。
まどかは、裕乃と信頼関係を築く中で、野口が言った心の距離感が大事ということを嫌でも実感することに。
「心の距離」はどうやって測る?
「心の距離」を測る方法はあるのでしょうか?
物理的な距離は簡単に測れるものの、心の距離は測ることができません。しかし、心の距離を縮めるためには、患者とのコミュニケーションや信頼関係の築き方が重要。
まどかが精神科で学ぶ必要があるのは、この微妙な距離をどうやって保つかという点です。
過度に感情的に関わりすぎることなく、適切な距離を保ちながらも、患者を理解し、支えることが求められるのです。
これは想像以上に難しいのでないかと思います。
精神科医の自殺率は、一般人の数倍だそうです。死のうとする人を食い止めるのが仕事であるはずの精神科医が、彼らの何倍も自殺しているという事実がそれを物語っています。
心の距離とは何?

心の距離には、相手に対する関心の度合いと、信頼感という2つの要素があります。
相手に対する関心が強いと心の距離は近づき、関心が弱いと離れる。そして相手に対する信頼感の度合いで心の距離は決まると言えます。
この距離は物理的な距離とは全く別な性質を持っています。
ここで、関心が非常に強いが、信頼度は低いという例もあります。
嫉妬や憎しみ、被害者意識といった感情がそれにあたります。
間違いなく関心が非常に強いこれらの感情は、同時に信頼度はゼロです。
このように関心度が高くても、必ずしも信頼関係にあるとは言えないのです。

では逆の場合を考えてみます。
関心はそこそこだが、非常に信頼している関係。
関心が強すぎると相手のことを束縛してしまったり、親子関係であれば「アンサンブル」の瀬奈のお母さんのように過干渉になってしまったりします。
ですから、人間関係において、「関心はそこそこでお互いを非常に信頼している」関係が一番心地よく、子育ても成功するのかもしれません。
まどかはこの「心の距離」の重要性を学び、実際に患者と向き合うことでその意味を理解していきます。
まとめ
「まどか26歳」の中で描かれる精神科での研修は、単なる医療知識の習得にとどまらず、患者との心の距離をどう保つかという非常に人間的な部分に焦点を当てています。
まどかが野口から教わる「距離感が大事」という言葉は、物理的な距離ではなく、相手の心に対する関心と信頼感の重要性を意味しています。
精神科の研修を通じて、まどかは患者との心の距離を縮める方法を学び、心の治療を行う医師として成長するのでしょうか。
私たちも程よい心の距離を保って、良い人間関係を築いていきたいですね!
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